
格子間隔を40?にスプライン関数を用いて内挿することにより、スムーズな気圧配置の変化を再現できるように工夫をしている。
近海波浪モデルによる波浪の計算は、スペクトル法(MRI−JWAモデル)によって行う。この方法は、気象研究所モデルMRIを改良したもので、波浪の2次元方向スペクトルを構成する各成分波が独立に伝搬すると仮定し、非線形相互作用の項を含まないエネルギー平衡方程式を用いて波浪の成長及び減衰を推算するものである。
また局地波浪モデルは、沿岸付近のより局地的な波浪予測値を推算するために用いられ、従来のエネルギー平衡方程式を数値的に解く手法に比べきめ細かな格子配置に対して計算時間を大幅に短縮でき、迅速な計算処理を求められるルーチン業務においてはより適したモデルと言える。図5−4−6に局地波浪モデルの計算フローを示す。
局地波浪モデルでは、波浪GPVの6分(約10?)格子の波浪データを入力として次のようなステップで格子を細分化する。
a.6分格子の波浪データを標準スペクトルに変換し、2分(約3?)格子上で伝搬計算を行う。これによって地形による遮蔽の効果を考慮した2分格子上の伝搬波浪のスペクトルが得られる。
b.6分格子内における局所的な風波の発達をあらかじめ作成していた16方位の有効フェッチのテーブルから計算する。風浪の波浪諸元も標準スペクトルに変換する。
c.伝搬波浪のスペクトルと風波のスペクトルを合成した後、二次元スペクトルから2分格子の波浪諸元を求める。
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